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Novel Creator として創作活動しています。小説『ネット恋愛』・・・3の倍数日に連載中☆ミ・・・☆

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ハッタリ商人が行く(前編)
【Zephyros】


西地中海の火器交易で少しずつ貯金が増えてきた運び屋のガブリエル。

しかし、イスパニアのみならず商人仲間の間でもガブリエルは無名に近い存在だった…

イスパニア王宮からは最下位の爵位こそ授与されたものの、いまだ王宮へは顔パスで入れるほどの存在でもなかった。

ガブリエルは、ひとりセビリアの噴水広場にたたずみながら己の名声のなさに無力感を覚えていた…

そのとき交易所のほうからざわめきが聞こえてきた。

何だろう?とガブリエルも交易所に近づいてみる…

そこでは派手な衣装に身をまとった富裕商人が長い筒を手に交易所主人と交渉をしているところだった。

ガブリエル
『あれはジパングの種子島銃だ!しかもすごい量だ!あいつジパングから帰ってきたのか!』

その富裕商人は交易所主人との取引を成立させると莫大な金額を手にしていた。
そんなやりとりを眺めていた周囲の野次馬たちは感嘆のため息をつくのだった…

ガブリエル
『あーあ、オレもジパングに行けたらな。ん?待てよ。』

ガブリエルは何かを閃くと銀行まで走り全財産を引き出してきた。


そして、先程の富裕商人が自宅へ向かうのを見つけると声をかけた。

ガブリエル
『ども!さすが豪商は違うね!』

富裕商人
『なんだお前は?盗人か?』

ガブリエルは富裕商人の私兵に取り押さえられた。

ガブリエル
『痛たた!勘違いすんなよ!オレは運び屋だ。あんたと取引したいんだ!』

富裕商人
『取引?言っとくが私が扱う品はお前が取引するような安物ではないんだぞ』

ガブリエル
『こう見えてもオレは運び屋。火器類の価値はわかってる。ぜひ、あんたの種子島銃を売ってもらいたいんだ!』

富裕商人
『種子島銃だと?買うだけの大金を持ってるのか?』

ガブリエル
『いま500万Dある。そのぶんだけの種子島銃を売ってほしい!』

富裕商人
『おい、若造!大金さえ用意すればいいってもんじゃないぞ。どこの馬の骨かわからない運び屋ごときに私が銃を売ったともなれば私の名声に傷がつくんだ!どうせお前はヨーロッパの銃をイスラムへ密輸する気だろう?』

ガブリエル
『そんなことはしない!よし、わかった、種子島銃をヨーロッパ相場の倍で買おうじゃないか!』

そのとき富裕商人の表情が一瞬変わり沈黙した。

富裕商人
『……。いくらで買うんだ?』

私兵から解放されたガブリエルは富裕商人に近づくと交渉に入った。

ガブリエル
『1挺6万でどうだ?』

富裕商人
『話にならんな。』

ガブリエル
『じゃあ、7万…』

富裕商人
『若造、子どもの取引をしてるほど私は暇ではないのだ』

ガブリエル
『8万で、どうだ!』

富裕商人
『私には、得たいのしれない運び屋に銃を売るということは、それなりのリスクがあるのだ。そのリスクを忘れてもらっちゃ困るな…』

ガブリエルは一瞬、苦虫を潰したような表情になったものの、すぐに目に力を入れて富裕商人の目を見つめた。

ガブリエル
『わかった。9万出す!』

富裕商人
『もうちょいだな』

ガブリエル
『ぬーっ!わかった!1挺10万で50挺買いで、どうだーっ!?』

富裕商人
『はははっ!よし、わかった、売ろうじゃないか!今夜、私の屋敷まで引き取りに来るが良い!』


そう言うと富裕商人は私兵たちと共に歩き去っていった。


去っていく富裕商人の肥満ぎみな後ろ姿を見つめながらガブリエルは唇を噛んだ。

ガブリエル
『強欲商人めがっ!鎖であの身体を縛りつけてやりたいよっ!でも、さすが一流商人、とことんふっかけられたぜ…』



その夜、ガブリエルは富裕商人の屋敷へ出向き、種子島銃を50挺引き取った。

富裕商人はガブリエルから500万Dを受けとるとガブリエルの耳元で忠告した。

富裕商人
『この取引は、くれぐれも内密にな』

ガブリエル
『ああ、わかってる。オレにとっても外に漏れては困るからな』

富裕商人
『……?お前いったい種子島銃を誰に売るつもりだ?』

ガブリエル
『誰に売る?セビリアの交易所主人だよ』

そう答えるとガブリエルは富裕商人に背を向けて屋敷の出口へ向かって歩き始めた。

富裕商人は一瞬首を傾げたがすぐにガブリエルの意図を見抜くと笑いながらガブリエルの背中に声をかけた。

富裕商人
『そういえばお前の名前をまだ聞いてなかったな?名前は何という?』

ガブリエルは首を少し右後ろに向けながら答えた。

ガブリエル
『ガブリエル=ナスリー。かつてのナスル朝王族の末裔だ…』


やがてガブリエルは夜の闇へと消えていった…





富裕商人から高値で種子島銃を購入したガブリエル。
果たして彼の真の意図とは?

後編へ続く…









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