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Novel Creator として創作活動しています。小説『ネット恋愛』・・・3の倍数日に連載中☆ミ・・・☆

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ハッタリ商人が行く(後編)
【Zephyros】


早朝のセビリア…。

セビリアの港は、大勢の船乗りや商人で大小様々な船への積込作業で賑わっていた。

そんななかガブリエルは、中型の帆船から積み荷を降ろしていた。

船員の一人が作業の手を休めてガブリエルに訊ねた。

船員
『船長、どうして昨夜遅くに積み込んだばかりの積み荷を朝になってまたすぐ降ろすんですかい?』

ガブリエル
『芝居だよ、芝居!そんなことより早く荷を降ろすんだ!』


昨夜、セビリアの富裕商人からジパングの種子島銃を50挺買い取ったガブリエルは、あえて自分の船に積み込んでおいたのだった。

朝になって、大勢の人間にガブリエルが積み荷を降ろしているところを見せるためである。


ガブリエルは、種子島銃50挺が入った木箱、数箱を荷車に載せると船員たちに交易所まで運ばせた。

そして早朝から賑わう交易所で、その主人に声をかけた。

ガブリエル
『おはよ!火器の相場はどう?』

交易所主人
『売値は良い感じだよ』

ガブリエル
『違うよ。買値だよ』

交易所主人
『買値?なんだ、いつものようにマスケット銃を買いにきたのじゃないのか?』

ガブリエル
『違う。今日は種子島銃を売りにきた』

誇らしげにガブリエルは言ってみたものの交易所主人の反応は冷静だった。

交易所主人
『いつもイスラム諸国に銃を運んでるお前が種子島銃だって?朝から人をからかうんじゃないよ』

交易所主人は軽く笑いながら手を軽く振ってガブリエルから離れようとした。

ガブリエルは、かぶりを振ると種子島銃が入った木箱を開けて交易所主人に声をかけ振り向かせた。

交易所主人
『おお!まさしくジパングの種子島銃じゃないか!』

ガブリエル
『だろ?極東の黄金の国・ジパングまで行って仕入れてきたんだぜ?』

交易所主人
『いつの間にジパングに?しかも50挺だけ?誰かに譲ってもらったんじゃないのか?』

ガブリエル
『な、なに言ってんだよ!オレだってジパングくらい行けるさ!とにかく種子島銃を買い取ってくれよ』

交易所主人
『まぁ、買い取るけどさ。だけどお前さんも種子島銃を売るようになったってことにしとこうか!』

ガブリエル
『こ、これからもたまに種子島銃を売りに来るからな…』

やがてガブリエルは交易所主人から種子島銃の売却金を受けとると目を丸くした。

ガブリエル
『1挺あたりこれだけか?』

交易所主人
『なに言ってんのさ。それでも高めの相場なんだよ』

ガブリエル
『とにかく、ガブリエルが種子島銃を売りにきたと話のタネにしといてくれよ、じゃあな』


ガブリエルは動揺を隠しきれなくなったので交易所主人から代金を受け取ると早々と交易所をあとにしたのだった。


ガブリエルはセビリアの噴水広場まで来るとベンチに座りため息をついた。

ガブリエル
『富裕商人から種子島銃を1挺10万で50挺買って、交易所で1挺3万で全部売ったから350万の損失…。かなり痛いな。オレは、こんなことしてまで名声が欲しかったのか…、はぁ…』


その頃、交易所主人は徒弟たちと雑談をしていた。

交易所主人
『そうそう、さっき、運び屋のガブリエルが種子島銃を売りにきたんだ。誇らしげに種子島銃を持ってきたんだが、あいつの小さな船じゃあジパングなんて夢の話さ。どうせ誰かに譲ってもらって見栄張ってんだよ。名声欲しさにな。駆け出し商人ならよくやる手口さ。あいつも今頃大損してため息ついてるさ、ははは…!』

こうしてガブリエルは交易所で笑いのネタにされたのでした…。



数日後、いつもの近距離火器交易に戻った海の上のガブリエル。

そんなガブリエルに爵位昇格の話が出ていることにガブリエルはまだ知らない…

ガブリエル
『地道に交易頑張ろっと!』


こうしてガブリエルの航海は続くのでした~







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