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Novel Creator として創作活動しています。小説『ネット恋愛』・・・3の倍数日に連載中☆ミ・・・☆

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小説『ネット恋愛』第1章 第2話 東京暮らし
第①章 出会い  

第2話 東京暮らし



一九九九年、東京・南葛西



僕の名前は藤井裕晃。二十三歳。

地方からひとり上京して数年、憧れの東京で自由を謳歌していた。しかし生活は決して豊かとは言えない。

僕の東京での生活はワンルーム暮らしで借金を抱え、収入は日払いのアルバイトで得られるのみ。しかし日払いとは言え職場は固定しており、週に五、六日は働くことができるから僕にとっては申し分ない。ただ、職場がある品川埠頭の港倉庫は、アパートから近い距離にあるとは言い難い。その通勤ルートと言えば、葛西臨海公園駅から品川駅までJRで移動、そして品川駅からはバスで品川埠頭まで向かうというものだ。距離的には大したことがないのに、通勤時間は二時間近く掛かる。しかし、ほとんど貯えがない僕には、例え職場が少し離れていても、日払いの仕事を選ばざるを得ない状況なのだ。

 東京における知人も少なく、愛知県出身の僕には故郷にしか友人がいない。

 当然、カノジョもいない。

 休日になれば、独りで新宿辺りまで出向いてゲームセンターで遊ぶだけ。そしてまた葛西まで戻るという何とも寂しい休日を送っていた。

 時には大好きな東京の夜景を独りで眺めて過ごすこともあった。首都高速湾岸線を跨ぐ歩道橋の上から、眼下を行き交う車のヘッドライトや道路脇の街灯、そして都心方向に認められる高層ビルの夜景を一纏めに眺めながら、ひとり心をときめかせるのだ。

 大好きな夜景をいつか素敵な恋人と一緒に眺めたい。

それは僕にとって最高のロマンスであり憧れであり、僕が描く東京生活に必要不可欠なものだった。

 カノジョが欲しい、だけど出会いがない。

そして好きな人さえいない。

 僕にとって最高のロマンスは、はるか夢の彼方にあるように思えたのだった。







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