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Novel Creator として創作活動しています。小説『ネット恋愛』・・・3の倍数日に連載中☆ミ・・・☆

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小説『ネット恋愛』第1章 第6話 自問自答

第①章 出会い  

第6話 自問自答


 翌朝、通勤電車に乗りながら“りな”に『おはよう』メールを送ってみた。しかし一時間たっても返信はなかった。いつもなら『おはよう』メールをすれば三十分以内には返信があるものなのに。

 その後、職場での昼休みにメールのチェックをしてみたけれど“りな”からの返信はなかった。

 僕は次第に焦りを感じてきた。

 もしかしたら“りな”は殺人事件に遭って誰にも発見されずに室内で倒れているのかもしれない。それが理由でメールの返信がないのかも。それは大袈裟か。もしくはケータイをトイレに落として使用不能になったとか?それとも、実は“りな”にはカレシがいて、僕とのメールがカレシに見つかってしまい返信できなくなったのかもしれない。

 考えられる限りのことを推測しながら、僕は“りな”からのメールの返信がないことへの不安を打ち消そうとしたのだった。

 アルバイトを終えてアパートに帰宅したあと、不安に駆られてどうしようもなくなった僕は、もう一度“りな”にメールを送信することにした。

 『昨夜に送ったメールの返信がないけど何かあったの?』

 結局、その日の夜も“りな”からの返信はなかった。

 よく考えてみたら、エッチな話をしようという内容のメールを送信した以降の返信がないわけだから、それが原因なのかもしれない。



 翌日の日曜日は、アルバイトが休み。

 目覚ましアラームをセットしていなかった僕は、朝十時すぎに目を覚ました。目を覚ますと、ベッドに横たわったままケータイを手に取って開いた。するとケータイ画面にはメール着信を示すメールマークが表示されていた。

 やっと来た!と心の中で嬉しい叫び声をあげながらメールの確認をしてみる。

 『元気だよ』

 元気だよ?

 それは“りな”からのメールではなく、一昨日の夜に送った岩手のメル友からの返信だった。

 それを見てガクリと気持ちが落ち込んだ僕は、岩手のメル友からの返信メールに八つ当たりするかのように即刻削除した。そのあとすぐに新着メールの問い合わせを行ってみたけれど“りな”からのメールはおろか誰からのメールもなかった。

 もう一度メールをしてみよう。

 自分でもしつこいなと思ったものの“りな”のメールアドレスしか知らない状況では何度でもメールを送ってみるしかなかった。そして何よりも僕は、強い焦燥感と妙な胸騒ぎを覚えていたのだった。

 『おはよう、今日はバイトは休みだよ』

 当たり障りのない挨拶メールを“りな”に送信してみた。すると意外にも即座にメールの返信があった。僕は息をするのも忘れるほどに着信メールに飛びついた。そしてすぐにメールを開く。

 『送信先のメールアドレスが見つからないためメールを送信できませんでした。メールアドレスをご確認の上、再送信してください』

 何だこれは?アドレスを間違えたのかな?

 念のため“りな”のメールアドレスを慎重に確認して再び送信してみた。するとまた即座にメールの返信があり、それはやっぱり先ほどと同じメール送信不可のメッセージだった。

 二度目のメール送信不可のメッセージを確認した僕は、頭から血の気が引いていくのを感じた。

 もしかしてメールアドレスを変えられた?変えられたに違いない。

 りなに拒絶された。嫌われたんだ・・。やっぱり、いきなりエッチな話を持ちかけたのがいけなかったんだ。これでは僕は、ただの変態ではないか。“りな”にとって変態という存在のままで終わりたくない。せめて謝るだけでも謝っておこう。そうすれば許してくれて、またメールを交わせるようになるかもしれない。とりあえず“りな”と知り合ったメル友募集掲示板で彼女を探してみよう。

 僕はすぐにメル友募集掲示板にアクセスすると“りな”の書き込みを探した。

 およそ三十人ほどの女性によるハンドルネームが表示されているケータイ画面を、慌ただしく上下にスクロールさせてみた。しかし“りな”の名前は見当たらなかった。もしかしたらハンドルネームを変えて、別の名前で書き込んでいるのかもしれないと思い、“りな”と同じ大阪在住の女性の名前を数件チェックしてみた。

 しかし“りな”の特徴である明るく丁寧な表現の文章は見当たらず、彼女と特定できそうな女性を見つけることはできなかった。

 終わった・・。メル友“りな”は消えた。“りな”は、きっと真面目な女性だったんだ。それなのに僕は、少しくらいメールで彼女と親しくなったという理由だけでエッチなメールを交わせるはずだと勘違いをしていた。だけど、大半の女性はエッチな話は嫌いじゃないはずだ。“りな”だって例外ではないはず。ということはエッチな話を持ちかけたのは時期尚早だったんだ。いや、そういう問題なのか?

 ベッドの上でケータイを片手に胡坐をかいて固まっていた僕は、そんな自問自答を繰り返した。ベッドを離れてシャワーを浴びながらでも、エッチ話は早すぎた、エッチ話は早すぎた、と僕の頭の中で何度もリフレインされたのだった。



(次回、小説『ネット恋愛』の更新は9月24日の予定です)







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